本作は「グリザイアの果実」の続編でメインコンテンツとしては果実のメインヒロインのアフターストーリーと主人公の過去話が収録されている。さらにそれに加えてサブコンテンツとして「ショートショート」と「Hシーン詰め合わせ」も収録されている。メインコンテンツがいかに素晴らしいかは他の方のレビューがあるため、私はこのサブコンテンツの方をレビューしたい。
まずショートショートの方だが、全部で30話のかなり短い話の詰め合わせである。しかし、これは「本作に収録できなかった日常の出来事」を期待してプレイすると拍子抜けする内容になっている。というのも「製作の悪ふざけ」感が強い作品となっているからである。ショートショートと言う物語の形体自体がある程度ぶっ飛んだ内容を包括せざるを得ないので宜なるかな、といった感じだが、かなりキャラ崩壊が強いので、本編のイメージを壊したくない人は本編からしばらく時間を空けてから読むなどの対策をとった方がよいかもしれない。本編知ってるとかなりブラックな感じの話もある。
Hシーンの詰め合わせについてだが、こちらは本編では実現し得ないさまざまなシチュエーションプレイをたのしめる、といった感じか。キアラを妹にしてでかいケツを握りたいという人であれば十分以上に楽しめるだろう。とはいえHはほとんど付属品的な立ち位置であるグリザイアであるから、プレイしなくてもまったく問題はない。
……と言いたかったのだが、本編のプレイでは一切触れられなかったあるキャラの過去がこの詰め合わせで突然明かされるのでそうとも言えなくなった(自分の記憶の限りでは過去を明かされていないはずだが、もし本編で触れられていたら申し訳ない)。この過去を知ってから本編をもう一度プレイするとまた違う味わいを楽しむことができるので、Hシーンをプレイしていない人も一度プレイしてみるといいかもしれない。