スキコイ【DLsite限定版】 / 文苑堂

文苑堂 / スキコイ【DLsite限定版】


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sorani

440円

先輩…、私とアオハルなHしませんか♪

「嫌がられることを強要する主人公と、その行為を、なぜだか受け止める女子」というモチーフで、全く異なる二編が描かれる。

すごいところは、エロとして通用するシチュエーションを扱いながらも「いい話」に収束させる作者のストーリーテリングだ。完成度がとても高く、絵柄も可愛らしくて綺麗。

もしかして、ゆの は子猫の生まれ変わり? と読者に思わせるのも作者お得意のミスリード。

幼なじみの彩香と ゆの ちゃんだったら、私も、やっぱりゆのちゃんだな。4話の最後に「もう少し続きそうだな」とあるのに、5話がないのがザンネン。彩香も自己主張したかったはず。

二編目は、不良に絡まれて逆襲モノ+マゾメイド要素。組み合わせが絶妙で、杏華の内情が分かるほどに愛おしくなってくる。

回想に描かれる杏華だが、そもそも彼女自身はカツアゲには抵抗があったに違いない。仲間(葵)との同調圧で成り行き上そうなったっていた、ということだ――第2話にカツアゲの首謀者は葵だと読める描写がある。セリフで直に、「カツアゲは加納が指示したんじゃない!?」とある。いつも殴るのは葵なのだ。

浅野もこう言っている――「杏華はさ、金も家族もいて、何の不自由もない坊ちゃんのことが、羨ましかったんじゃないかな。あの根が真面目な杏華がカツアゲをやめなかったのはその裏返しだと思うんだ」と。

事実、杏華はかなりツンデレ度が高かったことも、最終話の結末で明かされる――父親の謀(はかりごと)じゃなかったのだ。

序盤のフキダシ「専属だと知ってたら受けなかった」と結末とは整合しないように見えるが、行為中の黒いもやもやしたフキダシには注目すべきだ。これは主人公の脳内再生(杏華の台詞のプレイバック)である――彼女自身の心の声ではない。だから、きちんと符合するのだ。このセリフは――もうお分かりのように――杏華の本心の裏返しである。だからこそ、主人公は杏華に萌えてしまうのである。